2025年6月3日(火)
千葉県立東総工業高等学校 建設科3年生(40名)の生徒の皆様に、
・現場での安全作業について
・「ものづくり」の楽しさ
を学んでいただきたく、【安全教育講習会】を実施致しました。
まず初めに安全についての講義を行いました。
建設現場の労働災害について
主な労働災害には
①墜転落災害(開口部、はしご、脚立、足場等)
②切傷災害(メタル材の運搬や作業、カッター、丸のこ、押切り等)
③電動工具災害(ドリル、ターボ、釘打機、インパクトドライバー等)
④転倒災害(滑る、転ぶ、つまずく等)
⑤その他災害(熱中症、重機、飛来落下等)
このように大きく分けて5つの種類があります。
そこで生徒の皆様に、1番危険な労働災害はどれなのか
一緒に考えていただきました。
確かに、どれも大変危険な労働災害ですが、
中でも特に危険なのは、墜転落災害です。
墜転落災害は最悪の場合、命にかかわることもあるので
職人さんや、その家族を守る為に、
セイミヤでは定期的に開口部や脚立等の安全講習を行うなど
様々な対策をして、墜転落災害撲滅に努めています。
次に、ケガをしやすい人はどんな人なのか、話し合っていきました。
Qせっかちな人はどうでしょうか?
Aケガをしやすい!
せっかちな人が、慌てて作業してしまうことにより、
ケガをしてしまうことがあります。
急がず、落ち着いて作業するよう心掛けることで、ケガを防ぐことができます。
Q不器用な人はどうでしょうか?
Aケガをしにくい!
実は意外にもケガをしにくいのです。
不器用な人は、「自分は不器用だ」と気付けるので
その分気を付けて作業を行うことができます。
また、安全に作業するために、
セイミヤにはいくつか現場でのルールがあります。
①資格が必要な作業は、必ず有資格者が行う。
②正しい作業手順を守る。
③作業前の健康チェック・KY(危険予知)活動を行う。
④作業着・保護具は正しく着用する
⑤6S(整理・整頓・清掃・清潔・躾・習慣)に努める。
⑥工具・機材等は正しく使用する。
⑦互いに協力して作業を進める。
⑧安全指示をしっかり守る。
⑨分からない事は、指示を受ける。
(勝手に作業を進めない)
これらを守ることで、全員で安全な作業を行い、
ゼロ災害に努めています。
また、労働災害を防ぐ対策の一つとして、
【ヒヤリハット】についてもお話ししました。
ヒヤリハットとは…
仕事をしていて、「もう少しでケガをするところだった」といった、
ヒヤッとした、ハッとしたということを言います。
このヒヤリハットを無くすために、
①実際に起こったヒヤリハットを、職人さんに報告書として作成してもらう。
↓
②工事責任者が内容を確認
↓
③毎月行っている社内会議で、具体的な安全対策を検討
↓
④職人さんを集めて全体会議を行い、報告・安全対策の周知を行う。
①~④を繰り返していき、全員でヒヤリハット撲滅に対する意識を高めています。
その後は、このような標識クイズや
現場で使う物の漢字クイズ、KYTイラストクイズなどを出題。
生徒の皆様も積極的に発表してくださり
楽しく学んでいただくことができました。
続いて、生徒の皆様に3班に分かれていただき、
各班ごとに3つの実習を行いました。
1.石膏ボード張り実習
初めにKY活動を行いました。
危険のポイント:ターボドライバーで手を打つ。
私達はこうします:ターボの先端に手を置かない。
「手元確認よし!」の言葉で、指差し呼称を行いました。
危険なポイントを伝え、早速一人ずつビス打ちを体験していただきました。
初めはうまくビスが刺さらない人が多かったですが、
何度か練習するうちに、しっかりビスが入るようになりました。
2.カッターの適正使用実習
KY活動を行います。
危険なポイント:カッターの刃で手を切る。
私達はこうします:耐切創手袋を着用。
「切創手袋着用よし!」の言葉で、指差し呼称を行いました。
【現場で使用する手袋の種類について】
・軍手
・ゴム手袋
・合成皮革手袋
・ケブラー手袋
・耐切創手袋(マキシカットウルトラ)
それぞれ用途によって使用する手袋が違いますが、
カッターを使用するときは、最も切れにくい手袋を使う必要があります。
今回は、安全に十分配慮しながら、
生徒さん(代表者1名)に、実際に1枚ずつ手袋を切っていただき
最も切れにくい手袋を探していただきました。
軍手・革手袋・ゴム手袋はすんなりと切れてしまいます。
ケブラー手袋は、軍手や革手袋よりは切れにくいものの、
力を加えるとやはり切れてしまいます。
耐切創手袋(マキシカットウルトラ)は、他の手袋よりも
圧倒的に切れにくいことがわかりました。
※絶対に切れないというわけではありません。
※カッターを使用するときには、
①指の位置に注意する
②刃の延長線上に体を置かない
③後ろに人がいないか確認する
(現場には作業している人がたくさんいるので、周囲に気を付けること)
これらの注意点があります。
今回の実習で、なぜカッターを使用するときに耐切創手袋を着用しなければならないのかを
しっかり学んでいただけたかと思います。
3.脚立の適正使用実習
KY活動を行います。
危険なポイント:脚立から転落する。
私達はこうします:足元を確認する。
「足元確認よし!」の言葉で、指差し呼称を行いました。
脚立は一番低い3尺脚立でも、転落したら骨折の可能性があります。
そのため、間違った使用方法をしてしまうととても危険です。
脚立の実習では、代表の生徒の方に実際に乗っていたぎました。
♦4尺脚立
4尺脚立に乗った感想:高さが無くても怖いと感じる。
♦5尺脚立
5尺脚立に乗った感想:4尺脚立よりもバランスが取りやすい。
♦上枠付き脚立
上枠付き脚立に乗った感想:とても安定している。
最下段で音が鳴るので、踏み外す心配がない。
という素直な感想をいただきました。
実際に現場で使っている職人さんも、上枠付き脚立の安全性に惹かれ、
使用する方が増えています。
今回は適正脚立を使用しないと、怖い思いをしてしまう
という事を学んでいただけたかと思います。
最後に…
中村監督によるデモンストレーションを行いました。
実際の現場で使用している道具を使って、
作業台の作成から、フロア・壁・巾木まで一連の流れを紹介しました。
生徒の皆様は作業の流れを初めて見たので、とても興味津々のようでした。
「ものづくり」はとてもやりがいがあり、楽しい仕事です。
今回はそんな楽しさが、皆様に伝わっていただけたら嬉しく思います。
千葉県立東総工業高等学校の先生方、生徒の皆様
このような機会を与えてくださり誠にありがとうございます。
少しでも皆様のお力になれるよう精進してまいりますので
今後ともよろしくお願いいたします。